司祭の言葉 12/24

主の降誕2021

 皆さんクリスマスおめでとうございます。クリスマスは24日の日没から始まります。
 私たちはキリスト誕生の厳粛な夜を迎えました。
 マリアとヨセフの後に、謙遜な救い主の栄光を最初に見たのは、ベツレヘムの羊飼いたちでした。彼らは天使が告げたしるしを認め、幼子イエスを礼拝しました。私たちも幼子イエスの誕生を喜び、その前に跪いて祈りましょう。
 皆さんは何を祈ったのでしょうか。私は平和を祈りました。
 大人の祈り、母親の祈り、父親の祈り、子供の祈り、青年の祈り 移住者の祈り祈る人の数だけ、いろいろな事情があります。

 ローマ教皇がクリスマスに何を祈っているのか。その祈りはどのような祈りなのでしょうか、そこに私たちの祈りのヒントもあります。
 教皇の クリスマスのメッセージは「ウルビ・エト・オルビ(ローマと全世界へ)」と呼ばれ、その名の通り世界情勢に触れるのが慣例となっています。

2014年
 内戦が続くシリアやイスラム国の台頭で不安定化が進むイラクに言及。
故郷を追われて難民化した人々に思いを寄せるよう訴え「今、苦しみのなかにある人々すべてが厳しい冬を乗りこえるのに必要な人道援助を得られるように」
イスラム過激派の襲撃やエボラ出血熱の流行に見舞われたアフリカ諸国についても言及。また、「暴力の犠牲になったり人身売買の対象とされたり、兵士になるよう強要されたりしている多くの子どもたちが救われるように」と祈っています。

2015年
 無関心で、時に容赦の無い文化の中で、わたしたちの生き方はこれに対して、憐れみと、共感、同情、いつくしみに満ち、祈りの泉から毎日汲み取ったものであるようにと、祈っています。

2016年
 世界中で行われている戦争や激しい紛争の結果、苦しんでいる全ての人たちの元へ平和が訪れますように」と祈り、テロの犠牲者たちに慰めの言葉を贈りました。

2017年
 中東の子どもたちの中に、シリアの子どもたちの顔の中に、イラクの子どもたちの中に、わたしたちはイエスを見ます。
 アフリカの子どもたち、平和と安全が、危険に満ちた緊張と新たな紛争によって脅かされている世界のすべての地域の子どもたちの中に、イエスを見ます。
 失業中の両親を持つ子どもたちの中にイエスを見ます。彼らの両親は子どもたちに確かで安心な未来を与えるために苦労しています。子どもたちは、少年期を奪われ、小さいうちから働くことを義務づけられ、あるいは良心の無い傭兵隊から子ども兵士として徴兵されていきます。
 自国を離れ、非人道的な状態で一人で旅をし、人身売買の危険にさらされている多くの子どもたちの中に、イエスを見ます。彼らの目を通して、わたしたちは多くの強制的移住者たちの悲劇を見ます。

教皇は苦しむ子どもたちのなかにイエスを見て祈りました。

 そして、春日部教会の皆さん、幼子の瞳を覗いてみてください。その瞳には何が映っているでしょうか。あなたの顔です。その瞳を覗けば、世界中のどの子の目にも、皆さんの顔が映ります。
 無防備な幼子、助けを必要とする幼子、神はこの世に来るにあたって、このような姿でお出でになったのです。何故でしょうか、私たちに訴えるためです。わたしたちの愛に。

 この待降節の間私たちは、イエスの食卓献金をしました。これらはさいたま教区に送られます。そしてそれは助けを必要とする子供たちに送られるでしょう。
 でもクリスマスに当たり申し上げるとすれば、お金を送ればよいという問題ではありません。皆さんに声をかけて募金をするのは容易です。そしてそのようにすれば沢山のお金を送れるかもしれません。でも違うのです。
 幼子のその瞳には代表者の顔だけではなく、皆さんの顔が映るべきです。
 少なくとも、直接子供たちに接している方々を通じて、幼子の瞳に皆さんの顔が映ってほしい。間接のまた間接ではなく。

 ご存知でしょうか、国境なき医師団、国連難民高等弁務官事務所、シングルマザーズフォーラムなど、など、子供たちを守るために働いておられる方々、そこに直接支援をしてみて下さい。
 領収書とともに、ニュースレターが送られてきて、子供たちの現状を知ることが出来ます。生の声を聴くことが出来ます。

 クリスマスは幼子の前に跪く夜です。イエスはこの世に平和をもたらすためにお生まれになりました。神の愛に感謝しつつ、この夜を賛美しましょう。